心臓外科医とは?
心臓外科医、心臓血管外科医とは、虚血性心疾患・心臓弁膜症・大血管疾患・先天性心疾患・重症心不全に対する外科治療を行っている医師です。具体的な治療方法としては、①冠動脈バイパス術,左室形成術,②弁膜症手術:僧帽弁形成術,各種人工弁置換術,大動脈基部手術,③重症心不全治療:補助人工心臓治療,心筋再生医療,④大動脈手術:人工血管置換,ステントグラフト内挿術,及びハイブリッド手術による広範囲一期的治療,⑤先天性心疾患治療などがあります。
私自身は長年にわたって大学病院の心臓血管外科に勤務しておりました。そして一般の病院では治療が困難な複合疾患を合併した重症例こそ、大学病院が担うべき外科医療と考え、no refusal policyで重症・緊急に係わらず、随時手術を受け入れてきました。
さらに、“長期遠隔予後に優れたQuality of lifeの高い手術”とは何かにこだわり、精度の高い最新の心臓大血管手術を、より安全かつ低侵襲に行うための新しい術式やデバイスの開発を行っております。
私が勤務しておりました東京医科歯科大学病院では、冠動脈バイパス術については、95%以上で人工心肺を用いないオフポンプバイパス術を施行(軽快退院率99.5%以上)し、弁膜症では、年々増加する僧帽弁形成術の完遂率がほぼ100%に達しています。
心移植を目的とした植込み型補助人工心臓手術や胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療も行っています。