研究開発・特許など

心拍動下CABGデバイス開発

人工心肺非使用心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)の術式開発と手術デバイスの開発を行ってきました。これは北信病院赴任中に、地域の超高齢の患者に対しても安全に施行できるCABGとして,当時まだほとんど行われていなかったOPCABの術式開発に尽力しました。手術の安全性と再現性に必要なデバイスとして心臓を持ち上げ標的冠動脈を露出するためのハートポジショナー「リトラクトバルーン」、冠動脈を傷つけずに遮断するためのデバイス「オクルーダー」、冠動脈遮断中に遮断部位の末梢へ血流を送り心筋虚血に陥らないようにするための外シャントチューブを開発し、「冠状動脈バイパス術用処置具、及び、処置具用部品」として米国特許も含め多数の特許を取得した。更に,2000年に本学帰学後に開発した吸引式多方向性ハートポジショナー「テンタクルズ」は,本邦のOPCABを代表するデバイスとして米国FDAの承認も取得し,国内外で市販化され,OPCABの普及に努めました。

CABGにおいては,吻合の質を向上させるために心外膜高周波エコー(ECUS)を早くから臨床導入して様々な新知見を発見し,その成果は国際的に高い評価を得て,海外での多数の招聘講演に招かれました。